病棟、外来利用者の皆様より禁煙に対し数多くのご意見、投書を頂いております。
そのつど、文書にて回答し、ご理解をお願いしております。以下、投書の回答の一部を掲示いたします。





(タバコにビタミン類が含まれていて良いというご意見への回答)

 タバコにはビタミン類が含まれて良いというご意見ですが、吸われるのでしょうか?食べられるのでしょうか?畑に栽培されているタバコの葉の主成分は有害物質のニコチンです。このタバコの葉がタバコ農家や近隣住民、野生生物に健康被害を及ぼすことが報告されています。例えば乳牛の乳汁量低下、桑の衰弱によるカイコガの死滅などの被害があります。人間にも、特異体臭や呼吸困難などの被害が時折みられます。たばこの葉から作ったタバコ自体はより精製されていますので、ご意見にあるビタミン類は抜け切っていてニコチンばかりですから一層有害です。人が誤って食べたりすれば(とくに乳幼児)死にいたる場合もあります。どうかくれぐれもご注意下さい。

                                  回答者 院長




(禁煙反対の意見に対する回答)

 確かにご意見にあるように国はタバコを吸うことを法律で禁じてはいません。喫煙権があるという主張も一理あるかもしれません。しかし、タバコによる健康被害は明白で、タバコを吸う人は吸わない人に比べて、とくに肺癌や心筋梗塞や脳卒中になるリスクが高く、寿命が10年は縮まります。糖尿病になる割合は2. 6倍、脳卒中になる割合は2倍以上です。とくに困るのはいかに分煙していても喫煙室のドアの開け閉めでタバコの煙を吸わない人にも吸わせて(受動喫煙)、健康被害を起こすことです。このようなことから禁煙は現代社会の潮流となっており、世の中でタバコを吸わない人は80%になっており、タバコをいま吸っている人の中でも禁煙を考えている人は80%となっています。当院の禁煙活動はこのような時代の流れに沿ったものです。ちなみに厚生労働省も最近、病院、学校、官公庁、百貨店、ホテル、鉄道、タクシー、飛行機ばかりでなく、飲食店、娯楽施設など、人の集まる公共の場は分煙ではなく全面禁煙の方針を打ち出しました。

 どうかタバコの健康被害についてご理解を深められ、健康で長生きして頂きたいと思います。

                                  回答者 院長